「先週、池田弥三郎先生の没後25年の記念の催しがありましたけれども、池田さんが作られた、『死者の書』をアレンジした≪憑りくる魂≫という、『死者の書』のテーマの鎮まることの無い「大津皇子(おおつのみこ)」の魂。それはまた、大津皇子一人に限らずそれぞれの時代に、そういう戦争とか政治的葛藤の中で不幸な死、非業の死を遂げた者の魂、ことに歳若く、結婚もせず、妻も子も残さないでこの世から命を消されてしまった若者の非業の死の魂、それは早くから御霊信仰という言葉で、御霊になって・・・」
平成19年春期講座より 「御霊信仰と魂の鎮め」(約3時間)
「源氏物語というのは一体日本人にとって何なのか。現代の我々がどういう気持ちで源氏物語を読めば一番日本人の心の伝統に沿った読み方が出来ることになるのか。という風なことを少し考えてみたいと思うのです。」
平成19年春期講座より 「『源氏物語』から読む日本人の心の伝統」(約3時間30分)
対談 岡野弘彦 國學院大學名誉教授・國學院大學栃木短期大学学長 芳賀 徹 京都造形芸術大学名誉学長・東京大学名誉教授
雑誌「國文學」(學燈社)の企画で実現した、 岡野弘彦先生と芳賀徹先生の「国文学対談」。 學燈社のご協力により、本ホームページで動画を配信いたします。
国文学対談 「自分史と子育てからみた 和歌による教育の大切さ」(約1時間30分)
「昔の農村なんかの生活感覚ですと、十五日正月と言って、十五日まではまだ正月のうち、あるいは七日松の内は正月の気持ちで過ごしたわけです。さらに農村なんかでは、月半ば、十五日正月まで、『鳥追い』とか、『もぐら打ち』とか、『庭田植え』とか、年の初めのいろんな予祝の行事があって、これがなかなか忙しかったんです。一年の初めのときに、凝縮した形でその一年の通しの収穫の予祝をしておかないと、その年がいい年にならないという農耕生活の上の長い信仰があって、それを非常に大事にして生きていたわけです。戦後、一番変わったのは、まずそういう部分ですね。」
平成18年秋期講座より 「若水をくむ 〜年の初めの予祝の行事〜」(約1時間)
「ちょっと長い文章になるわけですけれども、ここで光源氏の学問、あるいは芸術に関してのあるべき理想的な形、そういうことに関して、父の桐壺の帝が源氏に戒めおかれた言葉、諭しておかれた言葉が出ているわけです。我々の考えている学問とか芸術とかいうふうなもの、そして光源氏のような最高の理想の男性がそういうものに対してどうあるべきかということを、帝が源氏に諭されるという形で出てきているわけですけれども、それは現代の我々が考えている高貴な理想的な人の学問・芸術に対する在り方とはちょっと違うわけです。そこがまた興味を引かれるところであり、同時に、当時の人々のこういうことに対する考え、価値観というものを考えるのに非常に大事なところなんです。」
平成18年春期講座より 「源氏物語と芸能論 〜「絵合」の巻・解説〜」(約52分間)
「おかげさまで、歌集(『バグダッド燃ゆ』)は思いがけず新聞で幾つか取り上げてくだすって、著者としては大変うれしいわけですけれども、一方で、今、どんどん歌会始の歌が来ているわけで、ちょっと油断していると、すぐ三千首、五千首たまってしまうわけですけれども、今のところ五千首見終わって、今年の「月」という題の歌の傾向が大体わかったわけです。」
平成18年春期講座より 「現代の和歌について」(約57分間)
「連句はちょっと世界に類のない面白い文学です。(中略)これももとをずっと辿れば、カミと聖なる乙女との問答から生まれてきたといってもいい日本人特有の文学伝統を持っているわけです。そういうものが、今度は、いろいろな木の根をあわせてみたり、貝を合わせてみたり、何でもいい、両方から出して、どちらがより美しいか、より長いか、より優れているか、というかたちで勝負を決めていく。何でも合わせられるのです。そういう中で、こういう絵を合わせる、ことに物語を背景にした絵を合わせるというのは、いっそう大きな興味、鑑賞力を持つことができて、人々に好まれたのでしょう。そして同時に、微妙な勝ち負けのあらわれ方が、政治的な絡みをもってくるわけです。源氏物語の上で美しいかたちで語られていますが、時には、人生の上で大きな意味を持ったり、政治的な葛藤とつながっていくということもある。こういう形で、これを物語の中に入れてきたのも、実に効果的なことだと思います」
平成18年春期講座より 「歌合(うたあわせ)の心の伝統 〜「絵合」の巻・解説〜」(約45分間)
「光源氏の心の中にも、藤壺の心の中にも、大祓の祝詞の中に「天つ罪」「国つ罪」というふうにしてつばらかに述べている罪の条々、箇条箇条が、具体的に自分の身を照らすものとしてあったに違いない。 (中略) そういうことを考えますと、ちょうど須磨の巻が終わったところで、大祓の祝詞の講義をして、さらに日本人の原罪意識というものについて考えてみることは大事なことだろうと思いますので、きょうはその話をすることにいたします。」
平成17年秋期講座より 特別講義「大祓(おおはらえ)の祝詞と日本人の原罪意識」(約4時間)