きりつぼ
ははきぎ
うつせみ
ゆふがほ
わかむらさき
すゑつむはな
もみじが
はなのえん
あふひ
さかき
はなちるさと
すま
あかし
みおつくし
よもぎふ
えあはせ
まつかぜ
うすぐも
あさがほ
をとめ
たまかづら
はつね
こてふ
ほたる
とこなつ
かがりび
のわき
みゆき
ふじばかま
まきばしら
うめがえ
ふぢのうらば
わかな

特別講義  


 (2009.8.25 公開)

「日本のホテルというのは不思議な場所で、バイブルと仏教の経典は置いてあるのに、日本の神話である古事記は置いてないと以前お話しましたが、先日宿泊したホテル、古事記が置いてあるというわけではありませんが、このホテルは部屋に入ると不思議なことに短冊に書かれた歌が置いてあるんです。それにその歌が日によって違うんです。」

平成21年春期講座 「藤裏葉」その1 より 
ベッドの上の短冊 」(約23分


 (2009.8.7 公開)

「そもそも和歌というものは心の中にある非常に大事な伝えるべきテーマ、それと人の心に強く深く刻みこみ、衝撃的に伝えるという力ある言葉の凝縮された形だったと思うんです。日常会話の言葉よりも何倍か濃密な形で、相手の心にくい込んでいくような、印象を深く残すような、そういう言葉の凝縮あるいは調べの高まり、それが短歌定型のだんだん固定していく一番根源のエネルギーでもあったわけですね。」

平成21年春期講座 「梅枝」その1 より 
和歌の伝統、即興の魅力」(約35分


 (2008.11.28 公開)

「ちょうど一月遅れで昔の六月晦、つまり旧暦六月の末日、大祓という行事が古代から行われていたわけですが、それが律令制度が非常に整ってきて、そういう制度のための記録が平安朝になって整備せられて、その代表的なものが延喜式というものですが、その延喜式の中に、六月晦日の大祓の祝詞――ほかにも三十ほど古い祝詞が収録せられているわけです。」

平成20年春期講座より 
六月晦日の大祓/折口信夫と源氏物語」(約4時間30分


 (2008.11.28 公開)

「西行のような旅を、現代のもっと違った形で、折口信夫は非常に若い頃から続けていたわけですね。はじめから民俗学の採訪のために旅をするなんていう限られた目的意識を持たない。西行の真似をしているわけでもない、自分の心の中から日本の山間僻地を、孤独で非常に苦しい旅を続けていたわけですね。」

平成20年春期講座より 
黒衣の旅人・折口信夫」(約30分


(2007.11.14 公開)

「先週、池田弥三郎先生の没後25年の記念の催しがありましたけれども、池田さんが作られた、『死者の書』をアレンジした≪憑りくる魂≫という、『死者の書』のテーマの鎮まることの無い「大津皇子(おおつのみこ)」の魂。それはまた、大津皇子一人に限らずそれぞれの時代に、そういう戦争とか政治的葛藤の中で不幸な死、非業の死を遂げた者の魂、ことに歳若く、結婚もせず、妻も子も残さないでこの世から命を消されてしまった若者の非業の死の魂、それは早くから御霊信仰という言葉で、御霊になって・・・」

平成19年春期講座より 
御霊信仰と魂の鎮め」(約3時間)


(2007.11.14 公開)

「源氏物語というのは一体日本人にとって何なのか。現代の我々がどういう気持ちで源氏物語を読めば一番日本人の心の伝統に沿った読み方が出来ることになるのか。という風なことを少し考えてみたいと思うのです。



平成19年春期講座より 
『源氏物語』から読む日本人の心の伝統」(約3時間30分)


(2007.4.10 公開)

対談 
岡野弘彦 國學院大學名誉教授・國學院大學栃木短期大学学長
芳賀 徹 京都造形芸術大学名誉学長・東京大学名誉教授

雑誌「國文學」(學燈社)の企画で実現した、
岡野弘彦先生と芳賀徹先生の「国文学対談」。
學燈社のご協力により、本ホームページで動画を配信いたします。


国文学対談 
自分史と子育てからみた 和歌による教育の大切さ」(約1時間30分)


(2007.2.26 公開)

「昔の農村なんかの生活感覚ですと、十五日正月と言って、十五日まではまだ正月のうち、あるいは七日松の内は正月の気持ちで過ごしたわけです。さらに農村なんかでは、月半ば、十五日正月まで、『鳥追い』とか、『もぐら打ち』とか、『庭田植え』とか、年の初めのいろんな予祝の行事があって、これがなかなか忙しかったんです。一年の初めのときに、凝縮した形でその一年の通しの収穫の予祝をしておかないと、その年がいい年にならないという農耕生活の上の長い信仰があって、それを非常に大事にして生きていたわけです。戦後、一番変わったのは、まずそういう部分ですね。」

平成18年秋期講座より 
若水をくむ 〜年の初めの予祝の行事〜」(約1時間)



「ちょっと長い文章になるわけですけれども、ここで光源氏の学問、あるいは芸術に関してのあるべき理想的な形、そういうことに関して、父の桐壺の帝が源氏に戒めおかれた言葉、諭しておかれた言葉が出ているわけです。我々の考えている学問とか芸術とかいうふうなもの、そして光源氏のような最高の理想の男性がそういうものに対してどうあるべきかということを、帝が源氏に諭されるという形で出てきているわけですけれども、それは現代の我々が考えている高貴な理想的な人の学問・芸術に対する在り方とはちょっと違うわけです。そこがまた興味を引かれるところであり、同時に、当時の人々のこういうことに対する考え、価値観というものを考えるのに非常に大事なところなんです。」

平成18年春期講座より 
源氏物語と芸能論 〜「絵合」の巻・解説〜」(約52分間)



「おかげさまで、歌集(『バグダッド燃ゆ』)は思いがけず新聞で幾つか取り上げてくだすって、著者としては大変うれしいわけですけれども、一方で、今、どんどん歌会始の歌が来ているわけで、ちょっと油断していると、すぐ三千首、五千首たまってしまうわけですけれども、今のところ五千首見終わって、今年の「月」という題の歌の傾向が大体わかったわけです。」

平成18年春期講座より 
現代の和歌について」(約57分間)



「連句はちょっと世界に類のない面白い文学です。(中略)これももとをずっと辿れば、カミと聖なる乙女との問答から生まれてきたといってもいい日本人特有の文学伝統を持っているわけです。そういうものが、今度は、いろいろな木の根をあわせてみたり、貝を合わせてみたり、何でもいい、両方から出して、どちらがより美しいか、より長いか、より優れているか、というかたちで勝負を決めていく。何でも合わせられるのです。そういう中で、こういう絵を合わせる、ことに物語を背景にした絵を合わせるというのは、いっそう大きな興味、鑑賞力を持つことができて、人々に好まれたのでしょう。そして同時に、微妙な勝ち負けのあらわれ方が、政治的な絡みをもってくるわけです。源氏物語の上で美しいかたちで語られていますが、時には、人生の上で大きな意味を持ったり、政治的な葛藤とつながっていくということもある。こういう形で、これを物語の中に入れてきたのも、実に効果的なことだと思います」

平成18年春期講座より 
歌合(うたあわせ)の心の伝統 〜「絵合」の巻・解説〜」(約45分間)



光源氏の心の中にも、藤壺の心の中にも、大祓の祝詞の中に「天つ罪」「国つ罪」というふうにしてつばらかに述べている罪の条々、箇条箇条が、具体的に自分の身を照らすものとしてあったに違いない。 (中略) そういうことを考えますと、ちょうど須磨の巻が終わったところで、大祓の祝詞の講義をして、さらに日本人の原罪意識というものについて考えてみることは大事なことだろうと思いますので、きょうはその話をすることにいたします。」

平成17年秋期講座より 
特別講義「大祓(おおはらえ)の祝詞と日本人の原罪意識」(約4時間)

 

きりつぼ

1. 「桐壺」より その1 

2. 「桐壺」より その2

3. 「桐壺」より その3

4. 「桐壺」より その4
いづれのおほん時にか、女御更衣あまた侍ひ給ひけるなかに...

人よりさきにまゐり給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず...

うちより御使ひあり、三位のくらゐ贈り給ふよし...

いのち長さの、いとつらう思う給へ知らるゝに...
 
 

きりつぼ〜ははきぎ

  5. はじめに

6. 「桐壺」より その5

7. 「桐壺」より その6

8. 「桐壺」より その7

9. 「桐壺」より その8

10. 「帚木」より その1

11. 「帚木」より その2

12. 「帚木」より その3
〜秋期の講義をはじめるにあたって〜

尋ねゆくまぼろしもがなつてにてもたまのありかをそこと知るべく...

そのころ、高麗人の参れる、なかに、かしこき相人ありけるを...

うへも、かぎりなき御思ひどちにて、(主上)「なうとみ給ひそ...

引き入れのおとゞのみこばらに、ただ一人かしづき給ふ御むすめ...

光る源氏、名のみことごとしう、言ひ消たれ給ふとが多かなるに...

親など立ち添ひもてあがめて、おひさきこもれる、窓のうちなるほどは...

さまざまの人のうへどもを語り合はせつゝ、「おほかたの世につけて...
 
 

ははきぎ

  13. 「帚木」より その4

14. 「帚木」より その5

15. 「帚木」より その6

16. 「帚木」より その7

17. 「帚木」より その8

18. 「帚木」より その9

19. 「帚木」より その10

20. 「帚木」より その11
心深しや、など、ほめたてられて、あはれ進みぬれば...

はやう、まだいと下臈にはべりし時、あはれと思ふ人はべりき...

さて、また同じころ、まかり通ひし所は、人も立ちまさり...

この二つのことを思うたまへあはするに、若き時の心にだに...

さて、いと久しくまからざりしに、もののたよりに立ち寄りてはべれば...

にはかに、とわぶれど、人も聞き入れず。寝殿の東面払ひあけさせて...

消えまどへる気色、いと心苦しくらうたげなれば、をかしと見たまひて...

このほどは大殿にのみおはします。なほいとかき絶えて...
 
 

うつせみ〜ゆうがほ

  21. 「空蝉」より その1

22. 「空蝉」より その2

23. 「夕顔」より その1

24. 「夕顔」より その2

25. 「夕顔」より その3

26. 「夕顔」より その4

27. 「夕顔」より その5

28. 「夕顔」より その6
寝られたまはぬままには、「我は、かく人に憎まれてもならはぬを...

女は、さこそ忘れたまふをうれしきに思ひなせど...

六条わたりの御忍び歩きのころ、内裏よりまかでたまふ中宿に...

君は、いとあはれと思ほして...

うらもなく待ちきこえ顔なる片つ方人を、あはれと思さぬにしもあらねど...

女、さしてその人と尋ね出でたまはねば、我も名のりをしたまはで...

白き袷、薄色のなよよかなるを重ねて、はなやかならぬ姿...

惟光、尋ねきこえて、御くだものなど参らす。右近が言はむこと...
 
 

ゆうがほ〜わかむらさき

  29. 「夕顔」より その7

30. 「夕顔」より その8

31. 「夕顔」より その9

32. 「夕顔」より その10

33. 「夕顔」より その11

34. 「若紫」より その1

35. 「若紫」より その2

36. 「若紫」より その3

からうして、惟光朝臣参れり。夜中、暁といはず...

人びと、「いづこより、おはしますにか。なやましげに見えさせたまふ...

右近を、「いざ、二条へ」とのたまへど...

七日七日に仏描かせても、誰が為とか、心のうちにも思はむ...


かの片つ方は、蔵人少将をなむ通はす、と聞きたまふ...


瘧病にわづらひたまひて、よろづにまじなひ加持など参らせたまへど...

日もいと永きに、つれづれなれば、夕暮のいたう霞みたるに紛れて...

いとあはれにものしたまふことかな。それは、とどめたまふ形見もなきか...
 
 

わかむらさき

  37. 「若紫」より その4

38. 「若紫」より その5

39. 「若紫」より その6

40. 「若紫」より その7

41. 「若紫」より その8

42. 「若紫」より その9

43. 「若紫」より その10

44. 「若紫」より その11


夕まぐれほのかに花の色を見て今朝は霞の立ちぞわづらふ

君は、まづ内裏に参りたまひて、日ごろの御物語など聞こえたまふ...

ただ絵に描きたるものの姫君のやうに、し据ゑられて...

藤壺の宮、悩みたまふことありて、まかでたまへり...

中将の君も、おどろおどろしうさま異なる夢を見たまひて...

忌など過ぎて、京の殿になむ、と聞き給へば、程経て...

かしこには、今日しも、宮わたりたまへり。年ごろよりもこよなう荒れまさり...


二条院は近ければ、まだ明うもならぬほどにおはして...


 
 

すえつむはな〜もみじが〜はなのえん

  45. 「末摘花」より その1

46. 「末摘花」より その2

47. 「末摘花」より その3

48. 「末摘花」より その4

49. 「紅葉賀」より その1

50. 「紅葉賀」より その2

51. 「紅葉賀」より その3

52. 「紅葉賀〜花宴」 その1


思へどもなほ飽かざりし夕顔の露に後れし心地を

おのおの契れる方にも、あまえて、え行き別れたまはず...

かしこには、文をだにと、いとほしく思し出でて...

世の常なるほどの、異なることなさならば、思ひ捨てても止みぬべきを...

朱雀院の行幸は、神無月の十日あまりなり。

内裏より大殿にまかでたまへれば、例のうるはしうよそほしき御さまにて...

帝の御年、ねびさせたまひぬれど、かうやうの方...

さて、そののち、ともすればことのついでごとに...


 
 

はなのえん〜あふひ〜さかき

  53.「花宴〜葵」 その1

54. 「葵」より その2

55. 「葵」より その3

56. 「葵」より その4

57. 「葵」より その5

58. 「葵〜賢木」 その1

59. 「賢木」より その2

60. 「賢木」より その3


「大殿にも久しうなりにける」と思せど、若君も心苦しければ...

大殿には、かやうの御歩きもをさをさしたまはぬに...

御息所は、ものを思し乱るること、年ごろよりも多く添ひにけり。

すこし御声もしづまりたまへれば、隙おはするにやとて...

御法事など過ぎぬれど、正日までは、なほ籠もりおはす。

二条院には、方々払ひみがきて、男女、待ちきこえたり。

遥けき野辺を分け入りたまふより、いとものあはれなり。

大后も、参りたまはむとするを、中宮のかく添ひおはするに...


 
 

さかき〜はなちるさと〜すま

  61. 「賢木」 その4

62. 「賢木」 その5

63. 「賢木」 その6

64. 「花散里」〜「須磨」 その1

65. 「須磨」より その2

66. 「須磨」より その3

67. 「須磨」より その4

68. 「須磨」より その5


いづこを面にてかは、またも見えたてまつらむ。

まづ、内裏の御方に参りたまへれば、のどやかにおはしますほどにて...

司召のころ、この宮の人は、賜はるべき官も得ず...

人知れぬ、御心づからのもの思はしさは、いつとなきことなめれど...

殿におはしたれば、わが御方の人びとも...

おほかたの世の人も、誰かはよろしく思ひきこえむ。

須磨には、いとど心尽くしの秋風に、海はすこし遠けれど...

明石の浦は、ただはひ渡るほどなれば...


 
 

あかし〜みおつくし

  69. 特別講義

70. 「明石」より その1

71. 「明石」より その2

72. 「明石」より その3

73. 「明石」より その4

74. 「澪標」より その1

75. 「澪標」より その2

76. 「澪標」より その3

大祓(おおはらえ)の祝詞と日本人の原罪意識

なほ雨風やまず、雷鳴り静まらで、日ごろになりぬ。

明石の入道、行なひ勤めたるさま、いみじう思ひ澄ましたるを

またの日、「宣旨書きは、見知らずなむ」とて、

年変はりぬ。内裏に御薬のことありて、

さやかに見えたまひし夢の後は、

女君には、言にあらはしてをさをさ聞こえたまはぬを、

国の守参りて、御まうけ、例の大臣などの参りたまふよりは、

 
 

みおつくし〜よもぎふ〜せきや〜えあはせ〜まつかぜ

  77.「澪標」〜「蓬生」その1

78. 「蓬生」より その2

79. 「蓬生」より その3

80. 「関屋」〜「絵合」その1

81. 「絵合」より その2

82. 「絵合」より その3

83. 「松風」より その1
いとまめやかにねむごろに聞こえたまひて、

はかなき古歌、物語などやうのすさびごとにてこそ、

霜月ばかりになれば、雪、霰がちにて、ほかには消ゆる間もあるを、

伊予介といひしは、故院崩れさせたまひて、またの年、

中宮も内裏にぞおはしましける。

その日と定めて、にはかなるやうなれど、

東の院造りたてて、花散里と聞こえし、移ろはしたまふ。

 
 

まつかぜ〜うすぐも〜あさがほ〜をとめ

  84. 「松風」より その2

85. 「松風」〜「薄雲」その1

86. 「薄雲」より その2

87. 「薄雲」より その3

88. 「薄雲」より その4

89. 「薄雲」〜「朝顔」その1

90. 「朝顔」より その2

91. 「朝顔」より その3

92. 「朝顔」〜「乙女」その1

かやうにものはかなくて明かし暮らすに、大臣、

かしこまりきこえさせたまふ。上の御遊びよりも、

「げに、いにしへは、いかばかりのことに定まりたまふべきにかと、

かしこには、いとのどやかに、心ばせあるけはひに住みなして、

主上は、夢のやうにいみじきことを聞かせたまひて、

「はかばかしき方の望みはさるものにて、

あなたの御前を見やりたまへば、

宮の御方に、例の、御物語聞こえたまふに、

世にまた、さばかりのたぐひありなむや。

 
 

をとめ

  93. 特別講義

94. 「乙女」その2

95. 「乙女」その3

96.「乙女」その4

97. 「乙女」その5

『源氏物語』から読む日本人の心の伝統

字つくることは、東の院にてしたまふ。

「こなたに」とて、御几帳隔てて入れたてまつりたまへり。

大臣は、そのままに参りたまはず、宮をいとつらしと思ひきこえたまふ。

大殿には、今年、五節たてまつりたまふ。
 
 

をとめ〜たまかずら〜はつね〜こちょう

  98. 「乙女」その6

99.「乙女」〜「玉葛」その1

100.「玉葛」その2

101.「玉葛」その3

102.「玉葛」その4

103.「玉葛」〜「初音」その1

104.「初音」その2

105.「胡蝶」その1

かの人は、文をだにえやりたまはず、

彼岸のころほひ渡りたまふ。

この男子どもを呼びとりて、語らふことは、

例ならひにければ、かやすく構へたりけれど、

「かの尋ね出でたりけむや、何ざまの人ぞ。

年の暮に、御しつらひのこと、人びとの装束など、

暮れ方になるほどに、明石の御方に渡りたまふ。

弥生の二十日あまりのころほひ、春の御前のありさま、

 
 

こちょう〜ほたる〜とこなつ〜かがりび〜のわき

  106.「胡蝶」その2

107.「胡蝶」その3

108.「螢」その1

109.「螢」その2

110.「螢」〜「常夏」その1

111.「常夏」その2

112.「常夏」その3

113.特別講義

114.「篝火」〜「野分」その1

更衣の今めかしう改まれるころほひ、空のけしきなどさへ、

殿は、いとどらうたしと思ひきこえたまふ。

今はかく重々しきほどに、

殿は、東の御方にもさしのぞきたまひて、

紫の上も、姫君の御あつらへにことつけて、物語は捨てがたく思したり。

たそかれ時のおぼおぼしきに、同じ直衣どもなれば、

大臣、この北の対の今姫君を、

六月晦日大祓/折口信夫と源氏物語

このごろ、世の人の言種に、「内の大殿の今姫君」と、

 
 

のわき〜みゆき〜ふじばかま〜まきばしら

  115.「野分」その2

116.「行幸」その1

117.「行幸」その2

118.「行幸」その3

119.「藤袴」その1

120.「藤袴」その2

121.「真木柱」その1

122.「真木柱」その2

「いとおどろおどろしかりつる風に、中宮に、はかばかしき宮司などさぶらひつらむや」

かく思しいたらぬことなく、いかでよからむことはと、思し扱ひたまへど、

「さるは、かの知りたまふべき人をなむ、思ひまがふることはべりて、

中宮より、白き御裳、唐衣、御装束、御髪上の具など、いと二なくて、

尚侍の御宮仕へのことを、誰れも誰れもそそのかしたまふも、

御けしきはけざやかなれど、なほ、疑ひは置かる。大臣も、

「内裏に聞こし召さむこともかしこし。しばし人にあまねく漏らさじ」と諌めきこえたまへど、

住まひなどの、あやしうしどけなく、もののきよらもなくやつして、

 
 

まきばしら〜うめがえ〜ふぢのうらば

  123.「真木柱」その3

124.「真木柱」その4

125.「真木柱」その5

126.「梅枝」その1

127.「梅枝」その2

128.「藤裏葉」その1

129.「藤裏葉」その2

130.「藤裏葉」その3

父宮、聞きたまひて、「今は、しかかけ離れて、もて出でたまふらむに、

かかることどもの騷ぎに、尚侍の君の御けしき、いよいよ晴れ間なきを、

引き広げて、玉水のこぼるるやうに思さるるを、「人も見ば、うたてあるべし」と、

御裳着のこと、思しいそぐ御心おきて、世の常ならず。

この御方は、昔の御宿直所、淑景舎を改めしつらひて、御参り延びぬるを、

御いそぎのほどにも、宰相中将は眺めがちにて、ほれぼれしき心地するを、

男君は、夢かとおぼえたまふにも、わが身いとどいつかしうぞおぼえたまひけむかし。

明けむ年、四十になりたまふ、御賀のことを、朝廷よりはじめたてまつりて、

 
 

わかな

  131.「若菜」その1

132.「若菜」その2

133.「若菜」その3

134.「若菜」その4

(以下、現在準備中)
朱雀院の帝、ありし御幸ののち、そのころほひより、例ならず悩みわたらせたまふ。

この御後見どもの中に、重々しき御乳母の兄、左中弁なる、かの院の親しき人にて、

この宮の御こと、かく思しわづらふさまは、

心のうちにも、「かく空より出で来にたるやうなることにて、