・両陛下のサイパン訪問
「(サイパンに)両陛下がいらしたので、それを歓迎する催しをいろいろしてくれたという。その一つに、戦争中にあそこへ行っていた日本兵たちから、もともと軍人だけではなくて、それ以前から日本の製糖会社―日本の戦前の砂糖はあそこでつくっていたんだそうですけれども、そういう人たちの影響ももちろんあったわけでしょう。両陛下が立たれたら、まず歌い出したのが『海行かば』なんだそうです。それをあの島の人たちは歓迎の歌だと思っていて、非常に明るい顔で明るい感じで歌ってくれた。両陛下は、『海行かば』が始まって、初めはちょっと怪訝な、戸惑ったような様子をなすったけれども、すぐに向こうの人たちの気持ちを察しられて、明るくお聞きになっていた。それから、次々にそのころの歌が歌われて、最後は『ラバウル小唄』で終わったんだという話でした。」
・家持の歌
海行かば水漬(みづ)く屍(かばね)山行かば草むす屍大君の辺(へ)にこそ死なめ顧みはせじ 万葉集 巻18
丈夫は 名をし立つべし 後の代に
聞き継ぐ人も 語り継ぐがね 万葉集 巻19