|
|
|
|
|
| 1.(源氏)「いとあはれにものし給ふ事かな。 | |
|
テキスト・161頁10行目より
(源氏)「いとあはれにものし給ふ事かな。それはとゞめ給ふかたみもなきか」と、幼なかりつる行方(ゆくへ)の、なほ確かに知らまほしくて、問ひ給へば、(僧都)「なくなり侍りし程にこそ侍りしか。それも女にてぞ。それにつけて、物思ひのもよほしになむ、よはひの末に思ひ給へ嘆き侍るめる」と聞え給ふ。さればよ、とおぼさる。 |
| 7.(源氏)「うちつけに浅はかなりと御覧ぜられぬべきついでなれど、 | |
|
テキスト・164頁6行目より
(源氏)「うちつけに浅はかなりと御覧ぜられぬべきついでなれど、心にはさも覚え侍らねば、仏は自ら」とておとなおとなしう恥づかしげなるにつゝまれて、とみにもえうち出で給はず。 |
| 9.暁方になりにければ、法華三昧おこなふ堂の懺法の声、 | |
|
テキスト・165頁6行目より 暁方(あかつきがた)になりにければ、法華三昧おこなふ堂の懺法(せんぽふ)の声、山おろしにつきて聞えくる、いと尊く、滝の音に響き合ひたり。
(源氏)「吹き迷ふみ山おろしに夢さめて涙もよほす滝の音かな」
|