秋の海岸植物
風が強く吹きつける晩秋の一日、植物学者の近田文弘先生にご案内をいただき、伊豆半島・下田市にある小さな岬、爪木崎の海岸を歩きました。
寒い季節が近づくなか、海岸の植物はどのようにして冬支度をはじめているのでしょうか。
1.秋冬を向かえる海岸の植物
登場する植物:
タンポポ | 背を低くして暖かく過ごす
ノアザミ | 地面をはうようなロゼット葉
ハマコウゾリナ | 秋冬は小さめの花をつけて過ごす
ハマシャジン(ツリガネニンジン) | 地面にはりつくようにして過ごす
アシタバ | 暖かい海岸では冬でも花が咲く
シロダモ | 南方由来で晩秋から花が咲く
ハマダイコン | 地面にはりついて過ごす
ハマコウゾリナ | 冬に向って赤くなる
ハマカンゾウ | 冬でも葉っぱが枯れない
ハマホタルブクロ | 海岸型は冬でも葉を落とさない
イワタイゲキ | 来年の復活をめざして準備
ツルナ | 赤くなって冬に備える
2.冬の寒さをのりきる海岸の樹木
登場する植物:
ヒサカキ | いちはやくツボミをつけて春を待つ
トベラ | 実がはじけて赤いタネを飛ばす
グミの雑種 | 雑種でありながらちゃんと実をつける
クロマツ | 春の嵐の影響で松毬(まつかさ)がつかず
モチノキ | 赤い実をつける
3.実りの秋! タネが発芽できる条件とは?
登場する植物:
ハマナデシコ | 秋の終わりまで花がつづく
ハマボッス | 海面に浮かんで遠くまで運ばれるタネ
ハマカンゾウ | 白い花のあとにつく大きめのタネ
ハマゴウ | 良い香りのするハマゴウの実
ハマアザミ | 潮の被害を受けたタネと健康なタネ
4.秋の海岸に美しく咲く、キク科の植物
登場する植物:
イソギク | 爪木崎の秋の風物詩
アゼトウナ | 岩の隙間に孤独に咲くキク
ツワブキ | 舌状花の典型
ハマコンギク | 葉っぱが海岸型に変化
講師紹介

近田文弘 国立科学博物館名誉研究員
1941年新潟県生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。国立科学博物館植物研究部室長など歴任。専門は植物分類学で種子植物の系統分類、植物相の研究が主。その他、博物学、樹木学、植生学、民族植物学、景観学、環境科学、地球環境論、自然保護、自然観察など幅広く関心を寄せる。山野の押し葉標本を収集。自らの足で歩いて、自然を「観る」ことを推奨する。
平成19年より、皇居吹上御苑の自然観察会講師として皇居の森を案内している。
近著に『皇居吹上御苑、東御苑の四季』(NHK出版)『伊豆須崎 海岸草木列伝』(トンボ出版)など。子ども向けの自然観察絵本に『草の名前が葉っぱでわかる』(大日本図書)など。
