森永エンゼル・カレッジでは、「家族と体と心」というメインテーマのもと、子供のあり方、家族のあり方を考える「こどもプロジェクト研究会」を開催しています。


今回は、「桜の話―植物観察の勘どころ」と題して、植物分類学者で、子供のための自然観察の活動にも力をいれておられる、国立科学博物館名誉研究員の近田文弘先生をお招きし、お話をうかがいました。

森永エンゼル・カレッジ 子育て支援研究フォーラム


 

T.花は桜木、人は武士というけれど

 




Windows Media形式 /16分39秒

花は桜木、人は武士といいますが、実は日本ではすごくたくさん桜の話があって、桜に関する本もたくさん出ています。それは実はすべて人間サイドから桜を見たものです。 では桜自身で自分を語るとどうなるか。つまり桜が桜の生き様を語るというのが今日のテーマです。

そこで考えたいことは、桜や自然に関する知識は、いま大変蓄積されているのですけれども、その知識からうまく想像して、生き物の姿を描き出してみる。桜というものを総合的な形で描き出してみる。こういうことをやってみようと思うのです。それは別な言葉で言うと、博物学ということです。

・ 日本の桜の祖先
・ 野生の品種とそれから作られた園芸品種
・ 江戸時代に作られたソメイヨシノ

 

U.なぜ桜は見事な花を咲かせるのか




Windows Media形式 / 28分24秒

桜はなぜ見事な花を咲かすか。それは人間のために咲いているのではなく、種をつけてそれをばら撒くためです。桜というのは、種をいかにばら撒くかということをすごく考えている木なのです。

・ 種をつけてばら撒くための桜の作戦
・ 早春に花を咲かせる桜・・・早春開花
・ たくさんの花を咲かせる・・・爛漫開花
・ 一斉に開花する・・・一斉開花
・ 短時間だけ花を咲かせる・・・短時間開花

 

V.桜が子孫を残すために




Windows Media形式 / 10分21秒

どうやって桜が種を撒き散らすか。これも非常に桜独特の作戦があるのです。それは3つほど考えられます。早く果実を作ることが一つです。それから有毒の果実を作ることです。それから埋土種子を作る。この3つの作戦で、桜は出来た種をうんとあちこちに散らばすのです。

・ 花が散る時にはもう小さなサクランボが出来ている
・ まだ緑色の実の外側の皮にには毒が
・ 色が赤くなるにしたがって毒気が抜ける
・ 熟した実を鳥に食べさせて遠くに種子をばら撒く
・ 土の中で休眠・・・埋土種子

 

W.桜という樹木の特徴




Windows Media形式 / 22分23秒

樹木というのは、人間が一人ひとり違うのと同じように、一本一本、自分のいた環境によって違った生活を示します。ですからすごく面白いのですが、その上に、それぞれの種類ごとの特徴も持っています。逆に言いますと、種類ごとの形や生活を持っているけれども、それぞれがどういう環境で育っているかによって、またすごい違いが出てくる生き物なのです。

・ 桜は周りに何も無いような場所で日光の当たるところが大好き―陽樹―
・ 横へ横へと枝を開いて効率よく日光を受ける
・ 太い幹と太い根・・・根際に重心を置く
・ 成長が早い
・ 浅根性

 

X.ダイアローグ


近田先生のお話のあと、ひきつづいて研究会メンバーの先生方との対話がなされました。

対話の模様は、PDF形式のドキュメントにてお読みいただけます。

桜の話―植物観察の勘どころ/ダイアローグのまとめ
PDF形式・4.3MB







近田文弘 国立科学博物館名誉研究員

1941年新潟県生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。理学博士。国立科学博物館植物研究部室長など歴任。専門は植物分類学で種子植物の系統分類、植物相の研究が主。その他、博物学、樹木学、植生学、民族植物学、景観学、環境科学、地球環境論、自然保護、自然観察など幅広く関心を寄せる。山野の押し葉標本を収集。自らの足で歩いて、自然を「観る」ことを推奨する。

近著に『皇居吹上御苑、東御苑の四季』(NHK出版)『伊豆須崎 海岸草木列伝』(トンボ出版)など。子ども向けの自然観察絵本に『草の名前が葉っぱでわかる』(大日本図書)など。


 

 

 

 

 

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森永エンゼル・カレッジ 子育て支援研究フォーラム 「自然観察への誘い」 2008© 財団法人エンゼル財団