3.青木繁と日本古代神話
1) 「黄泉比良坂(ヨミヒラサカ)」(1903)
2) 「大穴牟知命(オオナムチノミコト)」(1905)
3) 「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」(1906)
4) 「わだつみのいろこの宮」(1908)
「日本の洋画界で、このような日本古代の神話に主題しながら、しかし当時の明治あるいは大正の人々の考えているような日常風景とは異なった世界、あえて言えば異界をこのような形で描き出し得たというのは、文字どおり青木繁が時間をかけながら上野図書館で読み込んだ数多くの神話――これは多分日本古代神話だけではありません。数多くの神話を読みながら、その中からエッセンスをくみ取り、こうして造形につなげていった、こういう青木繁の習練のたまものであったに相違ありません。」
4.霊感の源としての文学の復位
「近代の画家たちは、それがヨーロッパであれ、日本であれ、いずれにせよ数多くの古典的な作品の中から文学的イマジネーションをくみ取ってまいりました。(中略)それがそれぞれのジャンル、美術や音楽や文学が別々の道を歩みながら、これらの間にはお互いの間の連携と時には融合、フュージョンがあり得るかということは、等し並みではありません。まして、それら全体を包括しながら、現代の私たちが、都市として、あるいは国として、このような広い芸術作品、芸術活動を受け取ることができるか。それはかつて例えばフィレンツェが、例えば京都が行ってきた様々な事例に学びながら、これからその方策を考えていかなければならないのだと思います。
」
|